2022 04 11

3-トクホと何が違うの?

大阪大学大学院医学系研究科
臨床遺伝子治療学寄付講座教授

森下 竜一


 トクホ(特定保健用食品)は、機能性を謳うことができる食品として最初に登場しました。トクホでは、事業者が臨床試験の結果を消費者庁と消費者委員会に提出し、審査を経て認可されたものだけが機能性を表示できます。

 しかし、この制度にはいくつかの欠点がありました。まず、事業者にとっては審査に3~4年と長い時間がかかり、費用も数億円と高額でした。また、消費者にとっては、トクホの商品はドリンクが中心で、サプリメント形状が少ないため、摂りたい機能性を持つ商品が限られていました。

 これに対して、機能性表示食品は企業が自らの責任で機能性を表示できる制度として登場しました。大きな違いの一つは、トクホが国の認可を必要とするのに対し、機能性表示食品は企業の判断に基づいて届け出を行う点です。さらに、機能性表示食品はサプリメントや生鮮食品など、より幅広い商品に対応しており、日常の食生活に取り入れやすくなっています。詳しくは動画をご参照ください。