「ケル玉」のケルって何??実はあの有効成分の名前の一部でした!食べて生き生きやる気がでる!玉ねぎの秘密とは?
(株)広瀬青果
広瀬哲典氏インタビュー
「淡路の玉ねぎ」といえば、知名度は全国区だ。1年を通じて平均気温が16度という温暖な気候、辛みを抑えるとされる海のミネラルを豊富に含む土壌が生育に適しているとされ、フルーツ並みの糖度、柔らかい果肉を特徴にする。兵庫県南あわじ市で玉ねぎ農家を営む広瀬青果が販売する「ケル玉」は、玉ねぎとして国内で初めて機能性表示食品の届出が受理された。後継者不足から離農する農家も多い中、広瀬青果は2代目の広瀬さんが長男の康旭さん、次男の詳大さんとともに農業に取り組む。
知名度のある「淡路の玉ねぎ」だが、生産量は冷涼地の栽培に向いた「さらさらゴールド」、「ケルシー」などの品種を展開する北海道、佐賀に続く第3位。「西日本にもそうした品種に負けないような玉ねぎがあるということを知ってもらうよい機会だと思い、機能性表示食品の取得に取り組みました」と哲典さんは話す。
「ケル玉」は、タキイ種苗が2015年に品種改良で開発した新たな品種で、従来の玉ねぎよりケルセチンが1.5倍ほど多く含まれる。通常、品種改良には平均15年ほどかかるが、「ケル玉」は20年を費やしたという。
栽培は意外に難しい。一般的な品種に比べ、冬期の生育が緩やかであることから早く植える必要がある。収穫期も遅く、梅雨と重なるため雨が降っている時は収穫できず、病気に侵されるリスクも高まるという。栽培は手間がかかるが、「ケルセチン量が豊富で機能を活かせるなどの魅力があり、それでも作る価値がある」と、息子の詳大さんは話す。
「ケル玉」が機能性表示食品としてユニークなのは、人の「感情」や「気分」への働きかけに言及したその表示だ。ポリフェノールの一種であるケルセチンを機能性関与成分とし、「中高年が加齢に伴い低下しがちな積極的な気分、生き生きとした気分、やる気を維持する機能があることが報告されています」といった機能を表示する。玉ねぎに含まれる成分には、認知機能や肝機能への働きを示唆する報告もあるという。その中で感情への働きかけにターゲットを絞った理由について、詳大さんは「きちんとした研究論文があることに加えて、まず『ケル玉』というブランドを知ってもらうのに最適だと考えました」とする。だいたい玉ねぎ半分で、機能を発揮するケルセチン量50mgの半分を摂ることができるという。
現在、2ヘクタールの土地で10戸ほどの農家と共同で栽培に取り組むが、生鮮食品としての販売量には限りがある。「多くの消費者に届けるには、加工食品が最も届きやすい」(哲典さん)と、「ケル玉」を使った加工食品の販売など六次産業化も進める。これまで、動物性のブイヨンなどを使わず、ケル玉100%、化学調味料無添加のフリーズドライのオニオンスープやお味噌汁、カレー、ドレッシングなどを製品化してきた。いずれもヘルシー志向の方ややベジタリアンのニーズに応え、安心して食べることができるものだ。中でも「オニオンスープ」は年間5、6万食売れる人気商品になっている。
「野菜が苦手な人でも摂れるものとなると、行き着くところはサプリメントかな、と思いますが、例えば、ケルセチンは玉ねぎの皮に最も多く含まるため、『ケル玉茶』といった形でお茶もつくれます。こうした加工食品を作ることで捨てるものがないとなれば、生産者の方々も安心して生産に取り組むことができ、さらに、よりよい品質、魅力的な付加価値をつけた商品づくりに力を注ぐことができます。そうして生産者のニーズに応えつつ、広瀬青果の製品がよいと思ってくれるお客様を増やすことを目指して、今後も農業だけでなく、企業としての経営にも力を入れて成長していきたい」と話す。
■広瀬青果■
http://hirose-seika.co.jp/
「ケル玉」
機能性関与成分名:ケルセチン
積極的な気分、生き生きとした気分、やる気を維持する機能があることが報告されています。
購入の問い合わせ↓
https://x.gd/ndqoE