中性脂肪を下げる!自然豊かな地で育った平飼い卵
株式会社緒方エッグファーム
緒方克也
緒方エッグファームは、熊本県合志市で養鶏場を営む。養鶏業界は、バブル崩壊後の規制緩和により価格競争が進んだが、同社はその中で高品質な鶏卵の生産を目指し、鶏や人の健康、環境に配慮しておいしい健康的な卵を産む鶏を育てることに努めている。
2020年には家畜の生産段階における衛生基準である「農場HACCP」の認証を取得。安全な畜産物の供給に向け、月1回、管理スタッフの会議の実施や獣医師による食中毒菌などの定期的な点検を実施している。
例えば、鶏は暑くなると熱によるストレスを受けやすい。「犬と同じで汗腺が少なく、汗による体温調節が行えないため、『パンティング』といってハァハァと浅く早い口呼吸を繰り返すことで体内の熱を呼気で排出しますが、このことが鶏舎内の汚れた空気を吸い込むことにもつながります」と、健康管理の委託を受ける獣医師の永井寿宗さんは説明するが、緒方エッグファームではこれを防ぐため、細霧(ミスト)装置やファンの稼働による鶏舎内の空気の循環、冷却による温度管理が行われている。
養鶏場を営む緒方克也さんが影響を受けたのは、フランス・ブルターニュ地方で食品クラスターを形成するブルー・ブラン・クールが提唱する「家畜の健康、人の健康、地球の健康」をコンセプトにしたヘルシーファーミングの理念だった。2011年、食品産業の振興を支援する九州地域バイオクラスター推進協議会とブルー・ブラン・クールの提携によりヘルシーファーミングプロジェクトが開始されると、緒方さんはメンバーとして参加。このことが、良質な食品の供給に向けた飼料と卵の定期的な検査・分析を始めるきっかけになった。例えば、フランスでは鶏のケージ飼いが禁止されている。渡仏して農場を訪問した際、各農家の方が自分たちの飼育法に自信を持っていることに刺激を受け、帰国後に平飼いも始めた。
また、ブルー・ブラン・クールによる研究の中で、鶏の飼育に適した飼料の一つに亜麻という植物があった。協議会は緒方さんからこの取り組みを日本でできないかという相談を受け、地域の研究機関や大学とコンソーシアムを形成して卵の分析をサポートしてきたという。鶏卵には機能性油脂の一種であるオメガ3が含まれており、今ではαリノレン酸、DHA・EPAといった表示で浸透しているが、飼料を変えることによりこれが卵の中でどう変わるかを調べるのが協議会のサポートチームの役割だったという。「味は感覚値で個人差もありますが、エビデンスとして示すことで説得力が増します。これを客観的な数値で評価して出せるのも機能性表示食品の非常に大きなアピールポイントだと思います」と協議会の森下惟一さんは話す。緒方さんも「鶏が飲む水や飼料、飼育環境、これらはすべて鶏卵に反映され、お客様に伝わります。そうして生産した卵はお客様からの反応がよいと感じられました」と、これまでの取り組みを振り返る。今では生産した鶏卵の全量をほぼ完売するという。
「食」に対する消費者意識の高まりも感じている。ウェブの普及によって消費者はあらゆる情報を容易に入手できるようになった。「これまでは新鮮さや安さが求められていましたが、その商品がどのような環境で、どのように作られているかということに消費者の関心が高まってきています。これらの取り組みは商品を見た消費者に直接伝わることではありませんが、家畜の健康に目を向ける、新しい家畜のあり方が求められるよう徐々にシフトしていると思います。その中で動物の福祉や環境保全、働いている方の人権、労働安全を適切に確保し、きちんと目を向ければ、企業としてもアピールできます」と、森下さんは指摘する。
緒方さんも「食に対するさまざまな情報が容易に入手できる時代、その中でその食品を作る背景や目標、素材の中身へのこだわりを科学的に分析しながら表現し、きちんと伝えることで、そうした食品を探している人や、選びたい人に情報を届け、価格以外の価値で選んでもらうところに力を入れたい」と考えている。
今後、緒方エッグファームでは、JGAPの取得も視野に入れている。JGAPは飼育環境への配慮や衛生面だけでなく、労働環境、労働安全など働く従業員、鶏にとってもよい環境を認証するものだ。取得することで、SDGs(持続可能な開発目標)で定める17の目標のうち、14ほどの目標も達成することができるという。
■緒方エッグファーム■
「竹林かぐや姫 平飼いオメガ有精卵」
機能性関与成分名:EPA‧DHA
EPA‧DHAには、中性脂肪を下げる機能があることが報告されています。
卵の購入はこちら↓
■NPO食品機能性委員会とは■
わたしたちは食の栄養や働きについての知識‧情報をわかりやすくお届けし、皆さまの健康的な暮らしを推進します。