創業100年以上の老舗ガラスメーカーが作る、オリジナリティ溢れる安心安全な野菜とは!?
日本山村硝子(株)
天川博人氏インタビュー
日本山村硝子は19年、自社の植物工場で生産した高栄養野菜で機能性表示食品の届出が受理された。同社はガラスびんメーカーとして100年の歴史を持ち、国内シェア40%を持つトップメーカー。日常的に親しみのあるペットボトルのキャップ、プラスチック、粉末ガラスの製造販売など幅広く関連事業を手がける。そのメーカーが新規事業の一環として15年に始めたのが植物工場事業だった。
新規事業は、07年に設立した研究開発センターが中心となって検討を進めた。同社は経営理念の一つに「革新なくして未来なし」を掲げる。ガラスびんの製造と「野菜」は関連が薄いように思えるが、「既存事業と切り離した自由な発想で『安全・安心』『環境』『サステナブル』をキーワードに社会問題の解決に向けた事業を検討しました」とセンター副参事の天川博人さんは話す。
植物工場では、温湿度や環境制御、照射する光の色や時間を調整して野菜の食感や風味、栄養成分をコントロールする独自の栽培方法をゼロから構築。野菜の生育に最適な光を照射するLED照明は照明メーカーと連携して開発するなど、ガラスびんで培った技術開発力も生かされている。また、栄養成分の分析設備も配備し、育った野菜に必要な栄養成分が担保されているか、トライ&エラーを繰り返し、品質管理体制の向上に努めてきたという。
これまで370以上の葉物野菜や果物の栽培を手掛け、18年には自社ブランド「きらきらベジ」を立ち上げ百貨店や量販店向けの納入を始めた。主力商品の「きらきらベジのサラダケール」は、苦味の強いイメージのあるケールを生で食べられるような柔らかい食感、苦味の少ない食味を実現。栄養機能食品として販売する「サラダケール」は、ビタミンCの1日推奨量(100mg)の30%を担保している。それ以外にも一般的に知られるセロリと異なり軸の細いホワイトセロリやサラダクレソン、5種類の野菜を組み合わせたサラダキットなどを販売する。いずれもクリーンな環境の植物工場野菜であるため、「外葉を捨てず無駄なく使用でき、さっと洗ってカットしてもらうだけで手軽に調理でき、ボリューム満点のサラダができる」(天川氏)という。
一方で一般に馴染みの薄い野菜であるため、店頭やサイトでは消費者にどうアピールするかが重要になる。その一環としてケールの健康効果に着目し、19年に消費者庁に届出を受理されたのが機能性表示食品「ぎゅっとルテインきらきらケール」だ。「ブルーライトなどの光による刺激から目を保護する」といった機能を表示し、商品1パック(60g)で1日に必要とされるルテイン量の半分(5mg)を摂ることができる。「ケールはルテインを多く含む品種が多く、制度の活用を念頭に栄養成分の分析を進めていく中で、栽培技術でルテイン量を増やしていくこともできるのではないかと考えた」という。21年には、生鮮食品に豊富に含まれ、取り組み実績も多いGABAをターゲットに、「ぎゅっとGABAきらきらケール」でも届出が受理された。1パック(50g)で1日に必要とされるGABAの半分が摂取できるという。
これまで関西本社敷地内にあるパイロットプラントで事業を展開してきたが、21年に日本貨物鉄道(JR貨物)と植物工場事業を行う合弁会社を設立。23年3月、福井県おおい町に延床面積約3400㎡の新工場が竣工した。生産規模は現工場の5倍を想定しているという。「独自の栽培ノウハウもあり、高付加価値の高栄養野菜で高まる健康ニーズに対応できる野菜を提供していきたい」と話す。
■日本山村硝子■
「ぎゅっとルテイン きらきらケール」
機能性関与成分名:ルテイン
ブルーライトなどの光による刺激から目を保護するとされ、年齢とともに減少する網膜黄斑部の色素量を増加させることで目の調子を整えることが報告されています。
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